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ほぼ次期首相 菅官房長官ってどんな人?【物申す女3人との闘いと倍返し】

次期首相にほぼ固まった菅官房長官。

安倍政権元、官邸の顔として記者会見するおなじみの顔…

印象は、いたってまじめで地味。

感情を表に出したら負け、とでもいうような受け答え。

あの会見から、冷静沈着を装っているのか堅物なのか、それ以外、なかなか人間性が見えてこない…

 

次期首相としてスポットライトが当てられて初めて、彼はどんな人?と、やっと興味が出る始末。

失礼ながらフルネームも知りません…

 

政治にうとい素人としては、最近の彼にまつわるエピソードで、とくに物申す女たちとの闘いが面白い。

そこから見える彼の人物像を考察すると、案外、政治に興味が出てきます。

 

希少価値『菅義偉』は二世政治家じゃない!!

 

彼の経歴で、ひときわ目立つのが、庶民出身、ということ。

二世政治家がはびこる中で、身ひとつ、たたき上げで、ここまで這い上がってきた。

 

秋田生まれ、農家のせがれ。高校卒業後、単身で上京。

アルバイトしながら2年受験勉強したのち、法政大学へ合格。私立で一番学費が安かったからというのが志望動機。泣かせます。

入学後も、アルバイトで自分で学費を稼ぎながら勉強。

卒業後は、政治家になることを志し、大学の就職課から議員の秘書を紹介されて政治の世界に一歩踏み出す。

笑ってしまうのは自民党ホームページの菅氏のページだ。

 

参考:プロフィール 衆議院議員 菅義偉 (自由民主党)ホームページ

 

「義偉物語」としてイラスト入りで紹介。「庶民派&苦労人」のウリにまんまとはまり、つい良い印象を持ってしまう。

 

菅流"やられたらやり返す 倍返し”

 

「Go to トラベル」東京除外 小池氏と菅氏の関係

菅氏が注目されたのは、一番最近でいうと、「Go to トラベル」キャンペーンの東京除外、だ。

安倍首相を含めほとんどの主要関係者は、首都圏(1都3県)除外だったのを、菅氏だけが東京除外を主張し、押し切ったとか。分科会専門家の了承も得ず、東京除外は決定事項として知らされた、というから、やり方が強行。

それを「菅氏の暴走」とメディアは書きたてている。

 

小池氏の記者会見では、Go to キャンペーンに対して、国政への皮肉を言い放ったのは確か。

彼女ならではの、独特の言い回しに、暴露本「女帝 小池百合子」が脳裏にとっさに浮かぶ。本の中の小池百合子がテレビに映し出された都知事・小池ゆりこ(前回の都知事選から名前をひらがなに変更)と完全に一致、本のリアル感が増した。これが彼女のやり方かと…

 

本にも出ていたが、菅氏と小池氏の確執の始まりは、2012年9月の総裁選。

当初、小池氏は安部氏支持を見せていたが、土壇場で優勢に見えた石破氏に寝返った。菅氏は安部陣営の中心人物。それ以来、彼女を「信用できない」とし、ことあるごとに批判しやりこめる。

 

この「東京除外」は、都民にとっては税金の扱いが不平等で不満もある。一方、東京での感染者がこれだけ多ければ仕方ないというのも、本音だ。

地方自治体と国政、という位置関係や、それぞれの政治家の人間性、感情が浮き彫りに見えた点は、面白い…

いやいや、

政治家の個人の感情で、国民は振り回されてしまう恐ろしさが露呈した!!

 

NHKクローズアップ現代・国谷友子キャスター降板劇

 

2014年に7月3日放送のNHKクローズアップ現代は、「【集団的自衛権】菅官房長官に問う」として、菅氏へのインタビューを放映。

キャスターは国谷裕子氏。番組の看板として23年キャスターを務めるベテラン。

 

当時、集団的自衛権行使により憲法9条の存在が危ぶまれただけに、世論も政府も非常に神経質になっていた問題だ。

生放送だけに、事前にリハーサルはあり、質問内容も大臣の想定内だったはず。しかし戦争放棄をうたっている憲法の存在危機もあり彼女の熱意が、菅大臣に対して執拗に質問してしまった結果、番組は大臣が答えている途中で終了…

放送終了直後、彼女の執拗さに対して首相官邸からクレームが入るという騒動に発展。

フライデーが「国谷裕子キャスターは涙した 安倍官邸がNHKを"土下座"させた一部始終」として記事を掲載したが菅氏がこの記事を全面否定。

そして、国谷氏は3月に番組降板。この騒動が降板のきっかけと言われている。

 

参考:書き起こし】NHKクローズアップ現代『集団的自衛権 菅官房長官に問う』抜粋引用+再校正+未記載部分|2014.7.3

 フライデー記事:https://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/490202f925e2bd41e926eefceddf4313

 

記憶では、騒動直後、国谷氏は番組を何日か休んでいた記憶があります。復帰直後、番組での彼女の表情は硬かった…

首相官邸、大臣とのやりとりは、テレビというメディアでも、限界・忖度があること、表現の自由は許されていない、特に収益の半分を税金でしめるNHKだから特に厳しい、という事実。

騒動が大きくなるにつれ、余計その実態の信ぴょう性がまし、民主主義がゆらいでいくのを感じざるを得ませんでした。

その後、テレビでキャスターとして彼女を見ることはありません。正義の在り方、理想と現実とのギャップを突きつけられたのでしょうか…

 

 

安倍政権を振り返れる映画【女性記者とのバトルを見よ】

 

菅氏は安倍政権を支えた中心人物なのだから、引き継ぐことは容易に想像ができます。

 

その前に、今まで、安倍政権が何をしてきたのか、この政権の実態をできれば振り返りたい。ただ、過去の新聞や資料、文献をあさって読むのも、面倒…

 

そこでおススメは、ドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』。(サイト「cineカエル」にて紹介)

 

東京新聞の女性記者、望月衣塑子を通して、いまの政治、それを伝えるメディアの在り方を問うています。

彼女は、社会部記者ながら、政治部記者にしかあてがわれない菅官房長官の記者会見の席を確保、特異稀な名物記者。そして政治家、官僚から疎まれていることでも有名。


なぜなら、忖度なしで徹底的に質問しつづけ真実を追及する姿勢が半端ない。記者会見では手を挙げてもなかなか指名してもらえない。嫌われて無視されればされるほど正義をかかげ燃える熱血漢。

さらに、これが女だから、たちが悪い… 笑

映画には、そう思っているであろう輩がうじゃうじゃいる!(ように見える…)

 

メディアたるもの、彼女と同じ熱意や使命をもって立ち向かう男の記者がでてこないのは、なぜか?

 

粋がってるあの女はウザイ、あの態度は女だからまだ許されている、同じように男がふるまったら記者生命が終わりと、そんな風潮なのだろうか…


彼女の場合、それならそれで、その風潮をうまく利用しようというポジティブな心構えも感じられます。

 

本作のネット配信は始まっています。

安倍政権の実態を知るために、手っ取り早い手段として、本作が役に立つでしょう。もろもろ感じることも出てくることでしょう。

菅氏 VS 小池氏、菅氏 VS ベテラン女性キャスター、菅氏 VS 女性新聞記者、の闘いはずっと前から繰り広げられています。

忖度なし、そのせいでラインを越えて物申す女たちと菅氏の闘いを知れば政治が俄然、面白く、無関心ではいられなくなること、間違いありません。

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