保護犬を迎える 個性を磨く~経験×新たな好奇心~ 小さな好奇心も拾う

最初の難関 ❝ザ・トイレ❞【保護犬を飼う その7】

 

保護犬は、たいていは成犬です。

成犬からの躾は苦労する、というイメージがありませんか?

 

ワンちゃんを引き取り後、一番最初にしつけたいのはトイレ。

 

保護団体側は、トイレについては、せいぜい「シートの認識有り」がいいとこ。

たとえ、「トイレはシートでできます」と謳っていても、ワンちゃんは環境が変われば、どうなるか保障はありませんよね。

 

とどのつまり、トイレシートの認識なし、と思っておいた方が気が楽です。

 

うちのワンちゃんも、初めからトイレをシートでできる、なんて思わず、ゼロから躾るつもりで挑みました。

 

ただし、お迎え当日からトイレトレーニングをスタート。

初日から、気合を入れてましたね。

 

確実にシートでトイレができるまで、結局、3週間かかりました。

 

ポイントは、成犬の場合、その子のクセやパターン、好みを知ること

 

それが分かれば楽にトイレを誘導することができるようになりました。

 

犬の様子を見ながら、焦らず、時間をかけるのがコツです。

 

そうはいっても、これがなかなか難しい。

自分なんて、最初から「ゼロから躾けるぞ」と意気込んでいたので、そんな悠長なことは言ってられませんでした。

 

1日でも、1分でも早く、トイレシートは覚えてほしい

焦らず時間をかける、そんな発想さえ持ってませんでしたね。

 

ここが初心者の甘いところ。

 

最初の1週間目

 

最初の1週間は、基本、ほとんどケージの中で過ごさせました。

保護団体側からも、そうするように案内がありました。

 

ケージと言っても、トイレトレーニング用のケージです。

 

犬のサイズにもよりますが、チワワなど超小型犬は、トイレシートのレギュラーサイズ2枚分の広さ

 

ワンちゃんがくるっと一回りできるぐらいが大きさの目安です。

 

またケージとして天井があるものがベスト。

高さは2本足で立てないぐらい。

 

自分は、できるだけそのサイズに沿ったケージもどきを作りました。

 

 

よく、犬用ベッドとトイレが並んでおけるサイズのケージがありますよね。

 

それはあまりよろしくないとネットでは多く書かれてありました。

なぜなら寝る場所とトイレが隣接しているので、トイレと認識しないようです。だからケージから出しても、トイレシートはまったく意味をなさないとのこと。

 

トイレトレーニング中 にらめっこしてます。

 

 

 

このトイレトレーニングはこの本を参考。

なにせ、1発で覚えるトイレ成功法、らしいので試してみることに。

参考本

 

この本は何と言っても、Amazonのkindleunlimited加入者なら読み放題。

さらに動画もついているので初心者には非常に分かりやすい!

 

作者であるトレーナーさんが躾ける時の、厳しさや褒め具合が見て取れますよ。
その加減が分かるので、とてもおススメです。

 

この方法は、小さなケージの中でトイレをするまで外に出さない、というもの。

ただし、トイレをするまで、主人はずっと犬を見守らなければなりません

 

それも、すこし離れた場所から、

 

体育座りしてずっと無表情、

 

視線はずーーーーと犬から離さない!

 

子犬の排泄は、だいたい2時間置きですが、成犬は、ある程度量をためることができるので、いつ、排泄するか分からない…

もしかしたら、8時間後かもしれないし、10分後かもしれない。

 

ケージに入れて、ひたすら犬が排泄するのを待つのみ。

 

排泄したら、すぐにケージの扉から出して、ほめて、ほめて、これ以上ほめれないぐらい、ほめたたえる。

そして10分ぐらい十分遊んであげる。

 

そうすることで、ワンちゃんがトイレシートを認識する上、排泄をすればケージから出してくれることを覚えます。

 

認識後は、ケージに入れて10分も経たないうちに排泄するようになる、とのこと。

 

流れは、

1、ケージ内で排泄するところを見届け
2、すぐにケージから出す
3、そして、可能な限りほめたたえ
4、喜ぶことを徹底的にしてあげる

 

実は、1番目が、人間にとっては、えらい苦行なんです。
無表情で犬から目を離さない、ことが、まあああああ、できない。

犬は、ケージから出してほしいから、くんくんと言って、催促してきます。

それが、すごくかわいい。

 

そのまま、ケージに閉じ込めておくことが、かわいそうになってきて、最初のうちは人間が1時間ももたないんです…

 

本では、飼い主は、心を鬼にして下さい、と書いてありますが、無理ですね。

 

できても、せいぜい3時間。

 

一向に排泄する気配ないまま、しびれを切らし、途中でご飯をあげたり、抱っこしたり。

犬もそのうち寝てしまったり…

 

寝はじめたら、大きな音を出して寝させないようにしましょう、と書かれてあります。

 

犬はウトウトしているところ、何度も何度も大きな音で起こされて、フラフラな状態でじっとしているなんて、かわいそうで見てられません。

 

 

トイレトレーニング中に寝てしまった

 

このやり方は、人間が、犬が哀れで耐え切れず、あきらめてしまう。

かわいそうだから今日は寝させてあげよう、と…。
そのうち、ご飯やら散歩やらでケージから出すことに。一向に全うできません。

 

ウチの子の場合、散歩すると決まって排泄してしまうので、それまでの我慢が水の泡。

ちなみに保護犬なので散歩は生まれて初めての経験。散歩=排泄、と犬が覚え習慣になると厄介なことに。雨でも散歩に行く羽目になるとか…

 

そんなこんなで、『今日こそは全うできるよう頑張ろう』という朝を繰り返すことに。

 

ただし一度でも、排泄まで見届けられれば、成功したようなもの。

 

排泄したくなると、犬は落ち着きがなくなり、くるくる周り始めます。

 

そんな本能的特徴を目の当たりにすれば、だんだんと人間側が犬の習性を理解できるようになります。

 

同時に、犬もだんだんトイレシートを認識してくれるようになるんです。

 

そのあとは速い。

 

 

2週間目

 

クレートでは犬は排泄をしないという習性も利用しました。

 

犬は寝床をきれいにする習性があるんです。

 

ただし、クレートが犬のサイズにあってないと、クレートの中でも排泄してしまうので注意が必要。

 

そして、寝る時はクレートの扉をしめる。

 

犬は当然、扉をしめられるのを嫌がります。

が、心を鬼に。

ここは案外、簡単に鬼になれます。

 

参考

後で知りましたが、

クレートの扉を閉めて寝る習慣をつけたほうが、非常時には役立つそう。

例えば避難所など。
いざ逃げる時にも、さっと持って逃げられますよね。

そうすることで、朝、扉を開けるまで犬の膀胱はパンパンになります!

 

パンパンにするところが狙い。

 

翌朝、直行で、トイレトレーニング用ケージに入れると、排泄するまでどんどん早くなりました。

 

そして、いちいちケージに入れなくとも、そわそわし始めるので、トイレだな、と察しがつくようになります。

 

ここも重要!

 

3週間目

 

お散歩にも慣れてきたころ、トイレ用ケージの使用をやめました。

 

クレートで扉をしめて、寝させ、朝、トイレシートのあるところに誘導。

 

トイレシートは柵の中にあり、犬は勝手に柵の外にでることはできません。

トイレトレーニング用ケージよりはずっと広く天井もありません。

 

そこで用が足せるまで柵の外から見守ります。用が足せたら、ご褒美にお散歩、という流れを作りました。

 

ここで一つ問題が。

トイレシートに、オシッコはするものの、ウ〇チは、シートを無視。
オシッコとは別の時間帯にしたり、お散歩中にしたり、とまちまち。

 

そこで、今度はウ〇チだけを注視することにしました。

 

それから2日後の朝、トイレシートにうまくウ〇チすることに成功。

大喜びして、わんちゃんをすぐに柵からだしてほめちぎりました。

 

それ以降、ウ〇チは、朝イチにするようになりましたが、今度はオシッコのタイミングが狂ってしまいました

 

犬は柵から1分でも早く出してほしいから、すぐ力み始めます。

ウ〇チをしてから、次はオシッコの番だよー、と柵から出さないようにしても…

 

待てど暮らせど、オシッコをする気配さえ、まったくない。


犬はウ〇チをしたので柵から出してくれるもんだと思ってる。

 

オシッコが出るまで、これ以上つきあえるか!!


人間がしびれをきらし、あきらめかけたその瞬間、保護団体のスタッフの方の言葉が頭によぎります。

 

『使用済みのトイレシートのオシッコを新しいトイレシートにポンポンとつけてあげると、そこにオシッコをするよ』と。

 

このタイミングでこの言葉が降ってくるとは!

おー、神よ!ありがたい。

即実践だ!

(これを直感と呼ぶのか… 直感なら即実行が原則だ!!)

 

早速、オシッコをつけたトイレシートを置いて、柵を撤去。

犬をフリーの状態に。

 

すると、知らないうちに、ちゃんとトイレシートにオシッコをしているではありませんか!

 

どうやら、このワンちゃんは、排泄する姿を人に見られるのが苦手のよう!

 

そういえば、いくつかの本に書いてあったっけ。

 

だとしたら、

排泄を見守らなきゃという人間、かたや、排泄する姿を見られたくない犬、とお互い相反することをやっていたわけで。

 

つまり、犬と、我慢大会をしてたことに?!

 

そりゃー、時間がかかるわ。

人間にとって、何もしないで犬をじーーーとみるなんて、苦行でしかない。ほんとにつらい。二度と味わいたくない!

 

特に初心者は本のマニュアル通りにやりますよね…

 

やり方として、決して間違ってはいない、

けれど、それだけに頼るのは考えもの。

 

 

その過程で、ワンちゃんの習性やその子特有の好み、個性を知り、試していくことが最善だと、手ごたえを感じました。

 

たとえばーーーー

 

いつも散歩から帰ると、まず洗面所へ直行。

洗面器に水を溜めて犬の足を洗います。水が溜まるまで、風呂場で犬を待たせます。

 

その日は、風呂場から犬が勝手に出てしまい、足元のバスマットでうずくまりました。

 

よく見るとオシッコをしている!!!!!!!!!!!!!!

もおおおおおお。

 

ここで怒っても、犬には何が悪いのか分からない。

冷静に対応しなければ。

 

なぜなら、怒って騒げば犬は逆に飼い主が喜んだと勘違いして、その行為が癖になってしまうとか。

 

いかん、いかん。

自分が冷静になるまで犬を風呂場にいてもらいました…

 

その夜、横になってから、このシチュエーションが頭にうかびます。

 

ひょっとして、わんちゃんは、あのバスマットをトイレシートと間違えてオシッコをしたのかも?!

 

(これも直感?!)

 

だとしたら、

 

明日、朝イチで、風呂場にトイレシートを敷いて、犬を風呂場に放ち、声掛けしてみよう!

 

声掛けとは、オシッコを誘因するためのクセ付け、です。

 

排泄を見守れる時はできるだけ声掛けをしていました。

「ちっち、ちっち、ちっち」と。

 

翌朝、クレートの扉を開けてすぐ、犬を風呂場へ。

「ちっち、ちっち」と声掛けをしました。

 

すると、トイレシートのにおいをかぎ始め、なんと、オシッコをしました!

 

速攻、抱いてほめたたえます。

 

ウ〇チも期待して、もう一度、風呂場に犬をもどしました。

風呂場から出ようとするので、出れない程度に扉を少ししめます。

犬から自分の姿が見えないところに移動しながら、今度は「ウ〇チ、ウ〇チ」と声掛けをしたところ、なんと、ウ〇チまでもしてくれるではありませんか。

 

もうーーー最高!

 

朝イチで、大小両方一度に、それも、風呂場で済ませてくれるなんて、ありがたい。

 

犬はなぜかトイレシートの端っこにオシッコをする場合が多いらしく、トイレシートからオシッコが出てしまうケースがよくあります。

 

その結果、はみ出た分は、当然、床をよごしてしまうんですね。

 

風呂場なら、多少トイレシートからはみ出ても、すぐにシャワーで洗い流せます!

 

ウ〇チだって、横にあるトイレにすぐ流せるではありませんか!!

 

偉いことに、このワンちゃん、両方とも、ちゃんとシートの上でやってくれる。

 

ただし、シートを置く場所は、ワンちゃんの好みの場所があって、そこにあわせますが。

 

この子、賢い!

 

飼い主の気持ちを分かってる。

 

忖度ができる犬!

 

なんて気の利くワンちゃんなんでしょう!!

 

実は、保護犬としてサバイバルするために身につけた術なのかもしれない… 

 

だとしたら…

 

切なすぎるぞ、おい!

 

まとめ

 

それからというもの、実に100発100中で、風呂場で用を済ませてくれます。

 

ただし、風呂場は階下のため、ワンちゃんだけではいけません。

 

留守中、どうなるかと思いきや、所定の位置にあるトイレシートで用を足していました。

 

この子、天才!!

 

まとめ

1.夜、ワンちゃんをクレートに入れ、扉をしめて就寝。寝る前に十分お水を飲ませると効果的(翌朝、膀胱はパンパンの状態)

2.朝、すぐにトイレトレーニング用ケージに入れる。飼い主は排泄するまでひたすら見守る(無表情・心を鬼に)

3.排泄できたら、ケージからすぐ出して褒めちぎり、これ以上にないくらいハイテンションで遊ぶ

3.これを何回かくりかえしながら、その子の個性や好み、クセを観察

4.この子にとって、また、自分にとって、お互いベストなトイレ方法を探る

 

しっかし、トイレに次ぐ大きな問題が!

 

マーキングは止まらないのであった。

 

ふー、さすが男の子。

 

特に慣れてない部屋に連れていくと、やらかしてしまう。

ちょっと目を離したすきに、足をあげてマーキング。

 

我が家の、自称❝リビング❞に、犬はまだまだ慣れていない…

そもそも、犬は出禁だった。
けれど、かわいそうな時もありリビングも慣れてもらうことに。

 

特にソファーは、お気に召したよう。

ソファーカバーの布地、このザラザラ感が、たまらない様子。

しっぽふりふり、全身をなでつけ、気持ちよさそう。

 

すると…

 

本能である縄張り意識が目覚め、片足をあげて…

 

2度、やられてしまった。

 

バスタオルを敷いていたにもかかわらず、タオルをわざわざ外してシーっと。

 

もおおおおお。

 

次は「マーキングの巻」か… ため息。

 

これは手ごわそうだ。

 

参考資料

 

◆you tube

・犬のしつけ 新!遠藤エマ チャンネル

・ワンダフルパートナー

 

◆本・(Amazon kindleunlimited)

 

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