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カウンセリングの極意『治そうとするな、分かろうとせよ』/キャリアコンサルタントになる!No.6

キャリアコンサルティング講座の後半は、カウンセリングについて学びます。

11回ある講座でキャリア理論、メンタルヘルス、労働法など、知っておくべき知識や理論の講義が終わり、いよいよ実習に突入です。

 

カウンセリングの理論については2回の講義(1回の講義は7時間半)があり、残りの3回の講義ではカウンセリングの実習をみっちり行います。

実習は、1回の講座だけで、もうぐったり。

身も心もクタクタ・・・

こんな経験は久しぶり。

 

カウンセリングとは、単純に言えば、真摯に相手の話を聞く、だけ。
それがどれだけ難しいか身にしみました。

 

このブログの更新が1ヵ月進まなかったのは、実は、カウンセリングの実習に、打ちひしがれていたからです…

 

なぜなら、❝カウンセリング❞ を誤解していました。

カウンセリングとは、相談に対する解決策を提案することではなく相手の気持ちに寄り添うこと。


そして相談者自身が解決策を見つけるために、一緒に考え、あくまでサポート、支援すること。

カウンセラーが指示的になることはありません。

何をどうするかを決めるのはあくまでクライアント本人であり、主導権はいつも相手にあるのです。

 

クライアントの気持ちに寄り添い、今後どうしたいのか掘り下げていくことを支援する。

 

つまり、

カウンセリングは『治そうとなするな、分かろうとせよ』だったのです!

 

カウンセリング実習とは?

 

実習内容は、それぞれの役割を演じるロールプレイになります。

カウンセリング、クライアント、そしてオブザーバーという役割を決めて案件ごとに役割を演じてゆくというもの。

時間制限は15分。

 

最低3人からなるグループにわかれ、ロールプレイが始まります。

各グループには、現役のキャリアコンサルタントがアドバイザーとしてつきます。そして先生は全体を進行しながら、各グループの様子をみていきます。

 

いざ、カウンセラーとして役割を演じると…

なんと、基本中の基本である『相手の話を聞く』ことができない!!

 

ポイント

カウンセラーの最低限の鉄則

・相手の話を聞く(傾聴)
・相手の言うことを伝え返し「なぜですか、どうしてですか」という質問はしない

 

 

頭では分かりながらも、これができない。

初めてカウンセリング役としてプレイしたとき、冒頭で、クライアントの言ったことを伝え返すつもりが、つい「なぜ」という言葉が出てきました!

 

愕然…

 

普段、相手の言うことを聞いては、理論攻めで返していたことが明らか。
それは相手の気持ち・感情を無視したもので、自分の考えをただ押してつけていた、ということ。

 

運が悪いことに、そのロールプレイを先生がチェックするために横に座るではありませんか!待っていたのは先生からの…

 

ダメ出しの嵐!!

 

変な汗が噴き出る!

 

さらに相手の話を聞くどころか、次の質問を考えているという、一番やってはいけないことをやらかし大失態。

 

人の話を聞くことが、こんなに難しいとは!

 


カウンセリング実習の第一日目にどん底に突き落とされました。

そして、「自分はカウンセリングにむいてないかも?!」と頭によぎります。

 

せっかく、新たな世界を見つけた、と喜んでいたのに…

 

どんなにカウンセリングのHow toや心構えを読んだところで、カウンセリングは実践だけがものを言うことを実感。

教科書を復習したところで、とにかく『やるしかない』という、一種のあきらめに似た感情がわくだけ…

 

それからというもの、憂鬱な気持ちで講義を受けることになります。

 

 

傾聴の極意

 

カウンセリングにおいて『人の話を聞く』ことを捉えなおす必要が出てきました。

 

あれこれと相手との問答を予想し、事前にたくさんのアドバイスを用意。その中からベストな答えを提示してあげよう、と思ったら大間違い。

 

なぜならカウンセリングの極意は

 

「治そうとするな、分かろうとせよ」

 

 

この極意の根底となる理論があります。

 

カール・ロジャーズの来談者中心療法です。

Carl Ransom Rogers, 1902 - 1987年

 

カウンセリングの世界では、基本中の基本となった理論のため知らない人はいません。

 

心理学の世界は学派が星の数ほどあることは有名。それでも学派や派閥の垣根を超えて、この心理療法はすべての学派に浸透しています。

詳しいことは、検索してもらえれば、すぐに出てきますので割愛します。

 

特筆すべきは、カウンセラーのクライアントに対する態度条件としてロジャーズは6つ提案しています。

その中で、カウンセラーとして必ず抑えておくべき態度は、以下の3点。

 

ポイント

1.無条件の肯定的関心
2.共感的理解
3.自己一致・純粋性

 

要は、クライアントの気持ちによりそうこと。

そのためには、相手を尊重し(1.無条件の肯定的関心)、気持ちに共感し相手の立場なること(2.共感的理解)、そしてカウンセラー自身も、ありのままの自分を受け入れ大切にすること(3.自己一致・純粋性)。

そうすれば、クライアントと信頼関係がきずけ、クライアントはますます話だし、自分の感情を放すことができる、という理論。

 

面白い点は、この3つ、ビジネスの世界では通用しない、ということ。

 

なぜなら、自分の意見・考えを主張すること、はビジネスマンの基本だからです。

たとえ相手と反対の意見でも、きちんと理路整然と言うべきことを言う、を良しとしてきたビジネスマンにとって、正反対のことを要求されています。

自分の意見を伝えることがいかに重要であり、ずっと実践してきたせいで、体に染みついていますよね。
そんなビジネスマンであればあるほど、カウンセリングには本当に苦労します。

 

特に50歳以上のおじさん! あ、おばさんも、いますね…笑
これは世代の問題で、そういう教育を受けてきたから仕方ない…

 

この3つの態度条件に慣れるまではとにかく変な汗をかきっぱなし。

バリバリのビジネスマンではなくとも、普通に「正直な気持ちを伝えることが相手への誠意だ」なんてことを信条にしていたら、もう大変。
クライアントの話なんて聞けません…

今まで、どれだけ相手の気持ちを無視して、好き勝手に自分の意見を返していたことか!

 

ええ、とっても主張の強い女でした…

 

さまざまなカウンセリング理論

 

キャリアコンサルタント、というと、人と仕事をマッチングするだけと思われがちです。

 

もちろん、それは重要なミッションなので間違いではありません。

人と仕事をマッチングするにしても、すべてはカウンセリングから始まります。

 

カウンセリング、には、心理学抜きには語れません。

さきにも触れましたが心理学の世界は、それはそれは様々な理論が存在し、同時に数多くの学派に分かれ、派閥争いが繰り広げられています。

権威がものをいう世界にありがちな、クライアントおきざりの、権力争い・・・

 

そのせいか、初心者には理論の理解を混乱させ、非常に紛らわしく、理解に苦しむことも多いです。

似たような名前だったり、どんぐりの背比べのような違いだったり。

そのうち、理解しようとやる気がなくなるのがオチですね。

 

個人的には行動療法と認知行動療法の違いがよく分かりませんでした。

 

参考書をつまみ食いして分かったつもりでしたが、歳のせいか、覚えられない!どうしても理屈を知る必要がでてきます。

 

時間はかかりますが、歴史からちゃんと振り返れば、道筋が理解できるうえ、背景が見えてくるので面白いです。その結果、印象も強くなり記憶にのこります!

 

最近では学派の争いは別にして、良いものは良い、という合理的な考えのもと、統合された折衷療法が主流になっています。

 

まとめ

 

カウンセリングは、傾聴が基本。
相手を尊重し、相手の立場にたち、気持ちによりそうこと。
カウンセリングの真意は、『治そうとするな、分かろうとせよ』

これを身につけるには、実践してコツをつかむのみ。

 

本番の試験では、カウンセリングを模した実技試験があります。
時間は15分。
カウンセラーとしてやっていけるのか、力を試されるわけです。

試験まで、どうやって練習していくか、が、ここでは大きな課題です。
講座で出会った仲間たちを頼るしかありません!

 

◆参考図書◆

理論を学ぶ際の、紛らわしさや誤解を呼ぶ原因について、素人向けに分かりやすくきちんと書かれていました。

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