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面接試験対策 来談者中心療法の次はマイクロカウンセリングの理解だ!/キャリアコンサルタントになる!No.10

 

来談者中心療法の意義や心得は、理解できました。

 

ちなみに腑に落ちるまで理解することをお勧めします
学科試験のためコトバだけ暗記していませんか?表面的な理解だけだと実技や論述がうまくいきません。詳細はこちらをご覧ください。

来談者中心療法、本当に理解してますか?/キャリアコンサルタントになる!No.9

 

簡単に、来談者中心療法をまとめると、技法よりも態度が重要。
その態度条件として特に重要なのは3つ。
・無条件の肯定的関心
・共感的理解
・自己一致・純粋性

 

でも、その態度って、実際、どんなもの?と思いませんか。

 

その指南書が、マイクロカウンセリング技法、です。

カウンセラーの具体的な行動・態度がカウンセリングの段階別に示されています。

 

最初、このマイクロカウンセリング技法を知った時は、

 

こんなんすぐできるわ、と。

 

なぜなら、視線のあわせ方、座り方、ひいてはほんの些細な仕草だったりするので、文章で読む分には軽く考えがち…

 

ところが、いざ実態がともなうと、

 

日ごろの態度・クセが邪魔をするんです!

 

その、ちょっとした仕草や行動が、カウンセラーとしてまったくできない!

 

初歩の段階でつまづくようなら、まったく話にならない、という有様。

 

特に、マイクロカウンセリングの「かかわり行動」は、カウンセラーとの信頼関係を築くための基本中の基本で、ここで来談者中心療法の3つの態度がためされるのです。

 

面接開始の数十分で、ここをやれるかやれないかで、明暗が分かれます。

 

そこが、今回の面接試験(実技)で問われれているところ…

 

そこでマイクロカウンセリング技法を自分のものにしていくために、抑えるべき点や疑問点や注意点、をまとめました。

 

 

マイクロカウンセリング技法とは

 

1960年代にアイビーが、心理療法やカウンセリングの様々な技法の共通点を発見し、それを分類しまとめました。いわば、面接技法の基本モデル。それが「マイクロ技法の階層表」です。

 

段階ごとに、カウンセラーの行動・態度が示され、ピラミッド型で表されています。

 

ピラミッドの底辺から順番に挙げると

①かかわり行動
傾聴の姿勢:視線のあわせ方、身体言語、声の調子、非言語的はげまし

 

②かかわり技法
言語レベルの傾聴:開かれた質問、閉ざされた質問、はげまし、言い換え、要約、
感情の反映、意味の反映

注意点として、❝いずれもクライアントの心の枠組みに沿ったもの※❞になります

(※「キャリアコンサルティング理論と実際」木村周著より引用)

 

③積極技法:能動的にかかわり、問題解決を具体的に促す

 

④技法の統合:必要に応じて様々な技法を組み合わせ、問題解決へ導く
※➂、④については、ここでは詳細を省きます

 

①から順に進んでいけば、ある程度質あるカウンセリングが担保できるというものです。

 

①→②を「基本的なかかわり技法」とされ、基本的傾聴の連鎖と位置づけられています。

 

そして

 

下から順に地道に進むことが重要で、飛ばして積極技法に進んだでも、そのカウンセリングは失敗に終わる、とされています。

 

注意ポイント

「基本的なかかわり技法」はカウンセリングの礎であり、ここでクライアントの信頼関係をきっちり築かずして、まともなカウンセリングは成立しない

 

「傾聴」で、まずつまづく

 

傾聴で一番何ができないかと言ったら、クライアントの発言を最後まで聞くこと、です。

聞いているようで、実は聞いてない!という事実が明らかになります。

 

これが、実にありがち。

 

指摘されるまで自覚はしてなかったのですが、他人のカウンセリングの様子を観察していたら、まさに目の前で繰り広げらているのを発見。

 

これだ、自分がやっていたのは! と自覚できました

 

なぜなら

 

クライアントの発言中に、次の質問を何にするか考えているため上の空なんですね・・・

 

で、クライアントの発言の最後には、だいたい感情の言葉が出るんです。「~で不安だ」「~だから辛い」「~はやってて楽しい」とか。

 

この、最後の感情の言葉を聞き逃すため、クライアントの気持ちの深堀ができない!

 

結果、カウンセリングとして「絶好の機会」を逃すことに。

 

なぜなら、

クライアントは気持ちを聞いてほしい。

 

気持ちを話す、は、気持ちを放す、ことで、クライアントが自分の今の現実・状況を意識化でき、

さらには、何らかの気づきを与えるヒントにつながるからです。

 

しかし、カウンセラーとしては、「間」がこわい。

 

この「間」はカウンセラーとしては、気まずく、耐えがたく、辛い…

 

だから、相談者の発言中に、ついつい、先回りして、次の質問を考えてしまう。

 

これって、どうやら、無意識なので、それを自覚して顕在意識にまでもってこなければなりません。

 

困ったことに、その修正がなかなか効かない!

 

これは、自分の思考癖で、日ごろから、

 

『心、ここにあらず』『今を生きてない』ってやつです。

 

つい、過去や未来に頭をめぐらし、今、を生きてない…
ヨガ、瞑想、マインドフルネスでは、その思考癖が一番問題視されています。

 

こんなところで普段の思考癖が浮き彫りになりました。

 

余談ですが、

 

過去や未来を考えると、人間はつい負の面ばかりをフォーカスしてしまい、不安が増すんですよ。

 

いかんいかん。

 

❝伝え返し、要約、まとめ❞も、意外にできない

 

次に、難しいのは、②かかわり技法「伝え返し、要約、まとめ」。

 

「要約」するにも、「伝え返し」するにも、キーワード、要点は、必ず、クライアントの言葉を使うこと、とされています。

 

変にカッコつけて、難しく言い換えたり、カタカナ英語に要約するなんてもってのほか!笑

 

ここで問題なのは

 

「要約」と「伝え返し」の使い分けが、意外に微妙なんです。

 

どこまで正確にクライアントの言葉通りに伝え返すのか、要約するのかの見極めが自分は苦手なようです。

 

なぜなら

キーワードだけでも正確に覚えようと意識すればするほど、頭が白くなる…

 

それは、年齢的な記憶力低下を自覚してしまったからか、苦手意識が増したことが原因かもしれません。

 

「正確に覚えられない」ことへの不安に拍車をかけているらしく。

 

ロールプレイの疑似面接で、「もっと正確に相談者のコトバを使って伝え返して!」と指摘されようもんなら、

 

俄然、頭が白くなる始末。

 

本番はもっと緊張するだろうし… 

 

困った。

 

そこで面接試験の対策を考えました。

 

それは、

注意ポイント

①クライアントが発した直前の言葉は、必ず、クライアントの言葉で伝え返す!

②そのあと、話をさかのぼって要約。その要約はある程度、自分の言葉でOKとし、話はちゃんと聞いていることを試験官にアピール。

 

②の❝話をさかのぼる❞は、苦肉の策。

試験本番、頭が白くなるよりはマシでしょう。

 

また、要所要所で、おおくくりに話をまとめる、ことも試験の対応策としては必要とされています。

 

ちゃんと話を聞いてますよ、と意思表示できるのと、解釈が間違ってないか確認ができる、一番は話を整理できる、からです。

 

ただ、わざわざ大くくりにまとめようとしなくても、

クライアントの発言が終われば、そのあとは、必ず「伝え返し」するので、その結果、自然に話はまとめられていくのも事実です。

 

人によっては、大くくりでまとめる時に

 

「今までの話をまとめますと~」と言うことで、話の流れが中断され、かえって次の展開が難しくなる、

 

いう方もいらっしゃいます。

 

伝え返しが、その都度、ちゃんとできていれば、わざわざ大くくりにまとめなくてもいいのかもしれません。

 

相談側も特に問題がないなら、なおのこと。

 

確かに、絶対やれ!と強制されているわけではありません。

 

強いて上げれば、試験官へのパフォーマンスとして取り入れたほうが、点数は得られやすい、ことでしょうか。

 

要は、自分のやりやすいやり方をつかめばいい、と。

 

注意ポイント

自分のやりやすいやり方を、練習や経験を重ねながら、見つけていくのが試験合格、ひいてはカウンセリングのコツ

 

 

相談役によって合否が分かれる?

 

試験においては、❝相談役❞が、結構、大きな運命の分かれ道なんですよ。

 

相談役が一体、どんな人で、どんな癖があるのか、その相性で、カウンセリングが左右されてしまいます。

 

面食らってしまうのは、初めから話が長い相談者。
それも話すスピードも速く、どんどん話が進んでしまうタイプです。

 

これは覚えてられないぞ、ヤバいぞー、と思っているうちに、頭が白くなる…

 

こういう時は、途中で介入するべきだそうです。

 

「申し訳ないのですが、正確に話を理解したいので、もう少しゆっくりと話してもらえますか」

とか

「今のお話をまとめさせてください。長かったもので、情報量も多く、もし間違っていたら訂正してもらえますか」

とか。

 

他の対策としては、

年代別、性別、によって悩みがパターン化しているので、それぞれ予想して対応を把握しとくのも手です。

 

参考になるのが、厚生労働省のサイトです。

 

就職氷河期、定年近い中高年(特に男性)、仕事や介護の両立に悩む女性、やる気を見いだせない就職3年目の若年層について、それぞれの対応が掲載されています。

 

 

参考

平成29年度 労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発に関する調査・研究事業

-若者:不本意に非正規雇用で働く若者や正社員として在職しているが、安易な離職願望などを有している若者など
-女性:出産・育児と仕事の両立に困難を有している女性など
-中高年:キャリアチェンジを余儀なく迫られていたり、何らかのキャリア形成上の課題に直面する中高年など

平成30年度 労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発に関する調査・研究事業

-治療と職業生活の両立支援
-就職氷河期世代の労働者への支援

 

国の事業らしく丁寧なのはいいのですが、結構な量なので、読む時間がある人にはおすすめです。

 

面白いのは、それぞれのカウンセリングシーンが動画で作成されています。

 

各30分程度なのでそれを見るだけでも、なんとなくパターンがつかめると思います。

 

まとめ

 

どの参考書でも、マイクロカウンセリング技法、については説明ぐらいなら必ず載っています。

 

ただそれほどページを割いてはいません。

だからか、自分には、さほど重要には見えず、軽く流してしまいました。

 

けれど実際、面接の練習をすると、その重要性に気づかされるんです。

 

カウンセリングでは、来談者中心療法とセットでマイクロカウンセリングを意識すると、
自分は、カウンセリング中に傾聴ができているのか、判断基準がもてます。

 

それが目安になり、傾聴の質を推し量れます。

面接に自信のない人にとってこれは心強いでしょう。

 

そして知らず知らずのうちに、自分を客観視しているので、とても都合がいいです。

 

最後に、マイクロカウンセリング技法について不安な方は、こちらの本を読んでみることを薦めます。

 

 

マイクロカウンセリングといえば、この本、と言われるぐらいどのサイトでも、この本が紹介されています。

感想としては、

 

正直、特に大きな発見はありませんでした。笑

 

それでも、自分の理解が正しいのね、と確信が得られます。

カウンセリングの事例紹介として動画がDVDにおさめられているので、視覚的にもこたえあわせができますよ。

 

参考資料

 


-キャリアコンサルタントになる, 個性を磨く~経験×新たな好奇心~, 小さな好奇心も拾う

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