いよいよ講義が始まりました。
講義や内容の印象、課題提出(宿題)の感想をまとめます。
前提として、
学校はNPO法人日本カウンセリングカレッジ(NCCP)を選びました。
選んだ理由については、前の記事をご覧ください。
講義内容は、厚生労働省から認定を受けているので、どこの学校でも同じ内容のはずです。
オリエンテーションでは、女性のスタッフが中心に切りもりしていました。
補助として男性スタッフがもうひとり。
なんとこのふたりはご夫婦。
旦那さんがボランティアでサポートに入るという手弁当ぶりがとても微笑ましく、NPO法人らしく、なのか、ならでは、なのか、非常に好印象でした。
ご本人もキャリアコンサルタントの資格をおもちで、スタッフとして生徒の気持ちも分かり、安心感があります。
この日は、このコースの顔であり、プログラム監修の宮城まり子先生の講義でした。彼女はキャリアコンサルタントという職を日本で広めた、業界の第一人者です。
目次
宮城まり子先生について
第一声で、さっすが、べてらん!と思わせるソフトボイス!
プロのカウンセラーとして、教授として、先生として、長年の実績が、しぐさひとつとっても、表れている…
特にその声のトーンやテンポ、リズムは、耳にとても居心地がよく、おっしゃっていることが、すんなり頭に入ってくる!
驚きでした。
彼女の学歴や経歴も、一流有名大学の名前がずらり。
これでもかというぐらいお見事。
そもそも彼女は臨床心理士からスタート。
カウンセリングを始めるうちに、仕事関係、特にキャリアについて悩んでいる人がとても多いことに気づき、臨床心理士だけの知識では足りないと思ったそうです。
そのころ、日本では、キャリア専門のカウンセラーはいません。
唯一、アメリカでは学術的にも、職務としても、進んでいたので、急いで学びにいったそうです。
学校はカリフォルニア州立大学大学院。1997年から留学し、98年には戻ってきたようですから、日本でのキャリアカウンセラーの歴史はほんの20年ほどになります。
とにかく宮城先生は、カウンセラーとして、一級品の見本になりうるのは間違いない。
そして自分は生涯現役も目指しています。
特筆すべきは、彼女の若さ。本当にお若い…
実年齢を知って、目が飛び出るほどびっくりしました… 御見それしました。
そんな目標となる人から講義を直接受けられる歓び、それが、やる気にもつながっていくのが分かりました。
簡単に言うと、自分はとてもラッキーという都合のよい解釈をし、勝手に感謝する、という流れ。笑
脳科学的には、具体的に理想とするモデルがいて、直接コミュニケーションができるのは、目標達成のために非常に重要なポイントになります。そして素直に喜ぶことも、大事!
ところで、先生の話を聞いて、そのころの臨床心理士、だけでは、クライアントの悩みをカバーできないという事実に驚きました。
つまり、自分もどこか、キャリアコンサルタントという職に対して、心理カウンセラーましてや大学院卒業し試験を経て資格を得ている臨床心理士にはかなわない、と、ある種低くみていた、ということです。
ちなみに臨床心理士は民間の資格であり国家資格ではありません。
とはいえ受験資格が指定の大学院修了者のため、レベルの高さや間口の狭さの印象を受けます。
一方、キャリアコンサルタントは国家資格なんですよね。
キャリアコンサルタントは国家資格の背景
臨床心理士が民間の資格で、キャリアコンサルタントは国家資格。
非常に違和感を感じます…
それだけ、時代、社会が急激に変化している、ということです。
今までにない経済の悪化によるリストラなど失業率の増加、そして日本は超高齢化少子化が進み、若年層の専門性と能力の高い人材の確保が急務。そのため学校教育でキャリア形成の自覚を持つ必要性が急がれています。
また人生観、価値観の多様化により、職の流動化がすすみ転職によるキャリア形成が一般化。単純にいい大学いい会社を目指すのではなく「何をしてどう生きていくのか」に重きを置くようになってきているのです。
そののためのサポートの必要性、需要が高まり、キャリアコンサルタントを国家資格として、国が整備したようです。
ちなみに、「キャリアカウンセラー」「キャリアコンサルタント」の違いをご存知ですか?
実は両者に大きな意味の違いはありません。
国家資格として「キャリアコンサルタント」と定めたことで、この呼び名が一般化されてきています。
参考
2014年 日本再興戦略でキャリアコンサルティングの体制整備を打ち出す
2015年 厚生労働省は職業能力開発促進法を改正
民間資格のキャリアコンサルタントを2016年4月から国家資格に
さらに現在5万人弱といわれるキャリアコンサルタントを、2024年末に10万人に倍増する計画が進行中
キャリアコンサルタントを増やすために、国家資格を持ち出した、というわけです。やや強引で荒業ですよね。
政府は1億総活躍社会をかかげ、女性や高齢者も社会でもっと働いてほしい。
分かりやすい例でいうと
子育てが落ち着いた女性たちを社会に復帰させるのに、キャリアコンサルタントが出番、ということです。
ただ、政府にちょっと言いたいのは、キャリアコンサルタントを10万人に増やす、と掲げているけど、お給料が安い…
平均で月20万円というのが実態。
それじゃあ、目指す人はあまり出てこないでしょ!!!!
だからか、
人事部で活躍した大手会社員が、定年後に資格を取って活躍する人が多い。
そりゃ、年金生活者だったら、副収入として、豊かに生活ができるでしょう…
年金生活者以外、比較的若い人にとっては、月収が安ければ、副業にならざるを得ませんねえ。
政府も、ただ増やすのではなく、現実的に、もう少しお給料の面を考えてほしい。
講義について
講義は9時30分から、休憩1時間を入れて、18時までミッチリあります。
内容も濃いです。
事前に渡されたテキスト通りに、進みます。
教科書(参考書)も何冊か用意されていますが、いずれも市販で手に入ります。
試験に出る頻度が高いとして有名な『キャリアコンサルティング 理論と実際』は、教科書の一つですが
まあ、読みにくい…
なぜ学術的な本って、読む人の気持ちを考えないのだろうと、文句を言いたくなる典型的な文体です。
著者の木村周氏もこの世界の第一人者ですから、将来的に足をむけて眠れない、ことになるのでしょう…
ぶしつけで申し訳ありません。まだ素人なもんで…
今の時点では、この本、眠くなります。音読してもなかなか頭に内容が入らないのは、辛い。根性だけではやる気は続きません。
『この本はあくまで参考書という観点で使ってください』と別の先生がアドバイスしていました。
一方、宮城先生の著書も教科書として使うのですが、比べて、なんと読みやすいことか!!!(ほめすぎかな 笑)
ただし、講義と並行して読むことを薦めます。
いくら読みやすいとはいえ、素人が図書館から借りて興味本位に読むには少々難しいでしょう。
講義では、もちろん解説してくれますが、要は、情報、知識をひたすら、頭に入れろ!という勢いで進みます。
なにせ試験があるので。
結局は試験対策の予備校なわけで。
大学受験より、専門性も高く、内容も興味があるので、勉強を面白いと感じられます。
なにせ講義で、自分のキャリアを振り返れるので、リアル体験を理論で追従していき、さらに今後どうキャリア展開していけばいいのかを習熟できるので、実は、大変身になります。
当たり前ですが、キャリアコンサルタントというからには、自分のキャリアには自信と責任を持たなければ、成り立ちませんよね。
課題提出(宿題)について
復習もかねて、課題が宿題として出されます。
試験になれるため、本番の試験から論述と学科とそれぞれ用意され、次のクラスの前日まで提出しなければなりません。
つまり週1回の講義なので、時間は6日間、たっぷりあります。
受験資格を得るためには「修了」が必要で、そのためには課題提出はマストです。
しっかし、両方とも、むずかしいーーーーー!
論述は設問形式で4題。設問の意味を説くことから始まり、指定された範囲で教科書を読み解くのですが、まあ、きつい…
学科も、4択で約20問。単語の意味も分からないし、ひっかけも多く細かいところまで暗記しないと間違えること必須…
想定以上に時間がかかる。
ため息。
正直、試験内容も課題提出もなめていました。
結局、試験は慣れなんでしょうが、試験勉強が末恐ろしくなりました。
だって、もう若くない!!
仕事と両立して勉強するのは、相当な覚悟が必要です。
『鼻血が出るほど大変だ』と耳にしましたが、まんざら大げさではなく、事実として納得です。
【教科書(参考書)】