『すいません、ほぼ日の経営。』(2018年発行)
語り手 糸井重里 聞き手 川島蓉子
評価 ★★★★☆ very good! おすすめ
総評 組織で働くことの希望、社会を変えられる期待、
そして自分もその一人になるための勇気がわく
目次
読むきっかけ
待ってました、これが読みたかった!
しかし、なかなか手を出すことができない…
『ほぼ日』がどんな風に組織として
日々仕事を進めているのか、
それを支えているものは何なのか、
本当に知りたかった。
そのうち、巷ではベストセラーになっていると
騒がれ始めた。
やっぱり、多くの人が待ち望んでいた本だったのか、
実際、内容もいいらしい…
余計、読みづらくなってしまった!
なぜか…??
何を隠そう、糸井重里が大好きだからだ。
ファンというより、彼は、もっと別格の存在だ。
”ほぼ日刊イトイ新聞”にあこがれて
畏れ多いが、真似してこのブログをはじめたのだ。
そもそも子供のころから、彼がメディアの向こうにいた。
彼はとても楽しそうだった。
うらやましかった。
心底、あこがれた。
だから余計、今の自分が、
今の彼の考えから何からすべて
とてもかけ離れていることが明らかになる、
憧れや目標なのに
自分は逆の方向へ向かっているような
そんな後ろめたさがあった。
実は、その逆の思いもある。
一見、買い物サイト、eサイトに
なれはてた“ほぼ日”。
品物は高いものばかりで手がだせない。
そして景気がよろしいようで
一部上場となる。
ほぼ日も一部上場企業の仲間入りか、と
どこか裏切られた感もいなめなかった。
いよいよ、真相が知りたくて
勇気を出して購入。
そして感想は…
感想は、自分への反省と「ほぼ日」への期待や希望だった。
一部上場の理由も納得できた。
ほぼ日を支えている“クリエイティブ”のために
稼ぐことが重要なのも痛いほどわかる。
一番の自分への反省は
ちゃんと自分で考えてないこと。
考えているようで
まったく考えられていない、
答えの出し方が軽すぎる。
考えることに時間をかけることが
面倒になっているのか
ちゃんと答えをださないまま見切り発車で行動し
結局、たいして結果が得られない、ことを
繰り返している。
好きとは何か、
おもしろいとはどういうことか、
楽しいとはどういう状況か…
(引用『すいません、ほぼ日の経営。』より)
便利な本の作り
この本は聞き手の川島氏が章ごとにまとめページを
章の最後に記載している。
おかげで、この章で糸井氏が何を言わんとしているのか、
よく理解できるのだ。
そして一番の”ほぼ日”への期待や希望を抱かざるを得ないのは
この言葉だ。
生き生きと働くとか、楽しそうに仕事しているとか、
そういうところで勝負する会社にして「幸福」を基準とした
資本主義のようなことはできないか
(引用『すいません、ほぼ日の経営。』より)
仕事とは、本来そうだったはずだし、
就職したころは仕事で幸せになると思っていた。
いつの間にか、
幸福を基準としない資本主義に我々は生きている。
そしてこの言葉だ。
“夢に手足を”
(引用『すいません、ほぼ日の経営。』より)
自分もならって、
やりたいことをどう実現していくか
手足を動かして
人によろこんでもらおう。
(引用『すいません、ほぼ日の経営。』より)
あ、糸井氏の言葉のまんまだ。
これを機に自分なりに考えなければ!
この本は、企画があがり、インタビューし、
そのまま本にしたように見受けられるが、
本が出来上がるまでに3年を要している。
川島氏のこの本への思いが
「はじめに」に書かれてあり
糸井氏のこの本への思いが
「あとがきにかえて」で書かれてある。
それだけでも読みごたえがある。
人生に迷っている人におすすめの本である。
本の詳細