小さな好奇心も拾う 農的暮らし

異常気象を食い止める「簡単! パーマカルチャーこと始め4選」

2018年夏ーー、

連日40度超えの暑さが猛威をふるいました。

アスファルト上は、もはや殺人的な暑さで

冗談ではなく“命の危険”を感じた人も多かったはず。

異常気象を引き起こした地球温暖化の影響が

こんな身近に脅威と感じたことはありませんでした。

近代化を推し進めるあまり、

ここまで自然をないがしろにしてきた我々の大罪は

必ず大きな災害となって自分たちに還ってきます。

中国地方、関西を襲った豪雨や大型台風もそのひとつ。

一方で、その原因を作り続けている自分たちの暮らしを

見直す機会がまさに、今、到来した、ことを意味します。

この先、殺人的な猛暑が続き

大災害が起きるであろうことは容易に想像できます。

日常を脅かす異常気象を少しでも食い止めることに

もはや人として無関心でやり過ごせないですよね?

そこで、パーマカルチャーというイデオロギーに基づいた

暮らしを見直す実践法、をご紹介します。

「簡単!パーマカルチャーこと始め4選」です。

どこでもいつでも気軽に始められるので

すぐにあなたの日常の暮らしに取り入れられます。

ぜひ、始めてみてください。

パーマカルチャーとは?

◆自分なりの解釈を持てる

“パーマカルチャー”の定義を

まずは私なりの解釈で述べると、

『人間を自然の一部として捉え、

森羅万象とどうつながり、よりよい循環を築くか、

そして継続していくか。

その仕組みを各々が自分の持ち場でデザインすること』です。

パーマカルチャーの面白いところは

自分なりにデザインする、ことが

より有意義だとされています。

だから、わざわざ緑が多く茂る山奥に引っ越して、

自給自足の生活をしなくても

なんら問題ありません。

都会に住みながら

自分の工夫次第で気軽に始められるのです。

そしてもう一点、魅力的なところがあります。

それは、パーマカルチャーは

日本の持つ「里山文化*」と捉えることができます。

日本人にとっては、馴染みやすく

どこか懐かしさもあってか、非常に受け入れやすい。

なぜなら、おじいちゃん、おばあちゃん、

先祖たちが、ごく当たり前にしてきたこと。

受け継がれてきた日本人のDNAが

覚醒させられます。

参考

*里山とは?

https://www.thinktheearth.net/jp/thinkdaily/report/2002/03/rpt-05.html

◆パーマカルチャーの定義について

パーマカルチャーという言葉の由来は、

パーマネント(permanent)=永久、

アグリカルチャー(agriculture)=農業

カルチャー(culture)=文化

が結びついた造語。

これは1970年代にオーストラリア人の

デビッド・ホルムグレンとビル・モリソンが創り、

『恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系』と

訳されるのが一般的です。

そもそも、パーマカルチャーの発想の原点は

“世界中を食べれる森にかえる”こと。

とても単純明解でシンプル。

それを支える3つの行動指針が、

1、自然をよく観察する

2、伝統的な知恵や文化の活用

3、科学的に有効な適正技術の投入

(引用:「パーマカルチャー菜園入門」設楽清和監修/一般社団法人家の光協会 発行)

これは、原始的な生活にたちかえるのではなく、
伝統や知恵をいかししつつ、最新技術も導入する、ということです。

そして3つの倫理が、

・Care of the Earth(地球へのケア)

・Care of People(人へのケア)

・Fare Share(平等な分配)

つまり、思いやり、“和”を尊ぶ精神ってやつですね。

ここでは取り上げませんが、

その他に、12の原則、10の実践分野、心構えなど

具体的に方向付けされています。

それでは、早速、実践方法を紹介していきます。

簡単!パーマカルチャーこと始め4選
その1 ニュースを自分ごととして捉える
さまざまなニュースを

他人ごとではなく自分ごととして捉えるようにしています。

すると、ニュースの背景に興味がわきます。

“なぜそんな事件や問題が起こるのだろう?”

その背景には大きな社会問題があり

めぐりめぐって自分に多少なりとも

関係していることに気付かされます。

すると情報に敏感になり、

そして、興味を惹かれた情報に対して

深掘りを始めます。

すると、世界がどんどん広がるんです。

情報やニュースにふれるたびに

無関心にならない、

思考停止に陥らない

ことを自覚させられます。

なぜなら、

流されずに自分で咀嚼して考え、

それが次の行動につながる、からです。

経済至上主義である資本主義では

激しい競争、言い換えると“搾取”が当たり前です。

そこには道徳観や倫理などありません。

あっても建前だけ、です。

“自分さえよければいい”という考えが

世の中に蔓延しているのが現実です。

その結果のひとつが

地球温暖化を引き起こしました。

さて、以下は、パーマカルチャーについて

深掘りするためにふさわしい作品を本と映画から

1品ずつ挙げました。

ご参考にしてください。

 

◆本

パーマカルチャーの本は今では山とありますが、

都会で始めるパーマカルチャーの本として

代表的な1冊をここでは取り上げます。

『都会からはじまる新しい生き方のデザイン』

ソーヤ海(著)東京アーバンパーマカルチャー(著)

 

 

ミニマムなパーマカルチャーの実践方法が網羅。

教科書や参考書のように、おカタイ本ではありません。

写真も多く、とても読みやすいので、頭に入りやすい。

そのせいか、自分もできそうだ、やってみよう!と

気軽な気持ちで行動につながる驚きの本です。

末巻には、パーマカルチャーの参考本が

たくさん載っているので、さらに深掘りができ

どんどん世界が広がります。

著者のソーヤ海氏は、「東京アーバンパーマカルチャー」主宰。

東京のパーマカルチャーの顔、というぐらい、

この世界では有名人。

最近では、千葉県いすみ市に平和道場を立ち上げたり、と

“共生革命家”として意欲的に活動しています。

彼の行動をチェックするのも

面白いかもしれません。

◆映画

最近は、ドキュメンタリーがとても人気です。

9.11以来、現実がフィクションを超えるような出来事が

次々と起きているせいでしょう…

ドキュメンタリーは社会問題を扱う作品が多く

時代的にもパーマカルチャーを扱った作品が

数多く制作されています。

その中で、興行的にも成功し

とても話題になった作品を、紹介します。

映画『人生フルーツ』

公式サイト https://life-is-fruity.com/

予告編 youtube

あるご夫婦の軌跡を追ったドキュメンタリーです。

とにかく、ご主人の生き様が格好いい。

建築という分野のお仕事で

どんなに窮地においやられても

自分の意志「里山を守る」ことを

つらぬく強さが尋常じゃない。

高度経済成長期の真っ最中に逆をいく、

その徹底ぶりは、頭が下がります。

そんな旦那を支える奥さんが甲斐甲斐しく

切なくなるぐらい愛おしい。

さらに奥さんの創る料理の数々が

旬を生かしてとても美味しそう。

手料理が作品に華をそえています。

また、もう一つの主役である、家、は

ご夫婦の生き様を絵に描いたよう。

その暮らしぶりは質素でありながら

とても豊かです。

日本人が置き去りにした里山文化が

この家で息づいています。

日本人であれば誰もが、自分の生活ぶりを振り返り

完全にノックアウトされてしまいます。

忘れさられた昔ながらの暮らしぶり、

まさに里山文化がここにありました。

何と言っても

究極の夫婦愛が底辺にあり

胸がきゅんきゅんとさせられます。

日本人なら必見の映画、

ぜひご覧ください。

現在、自主上映会が全国各地で開かれています。

スケジュールや詳細は、こちらをご覧ください。

なかなか映画をみる機会がない方には

書籍も販売されています。

『ときをためる暮らし』つばた英子・つばたしゅういち著

自然食通信社 発行

 

 事始め4選・行動に移そう!

異常気象をくい止めるために、今すぐに、気軽に、

暮らしに取り入れられるものを

厳選して以下にまとめました。

どれもこれも

特に新しいことではありません。

どこかで聞いたことがあるものばかりです。

それを知りながらも行動に移せてないことが

ほとんどでしょう。

たとえば、

電話で手続きをするだけ、だったり

ちょっとした工夫を生活に取り入れる、だったり、

ほんの少し手間がかかる、だけです。

面倒くさいなら、思い出してください。

自分たちの大罪が異常気象という形で

自分たちに明日にでも還ってくる、

それゆえに、どれも、

とても意義あるものだ、と。

その1 エネルギー編

〇自宅の電力を再生可能エネルギーに切り替える

2016年から電力が自由化されました。

地域ごとに独占状態だった電力会社と

否応なく契約させられていましたが、

今じゃ、自分で電力会社を選べます。

東日本大震災のあの日から、

非日常が日常になってしまいました。

福島第一原発事故により原発神話がくずれ、

平和な暮らしが危機に瀕したあの日を忘れられません。

そして、東京の電力が

福島から供給されていたことを知らされました。

この事実を知った以上、非常事態を経験した以上、

せめて電力は自分でちゃんと選びたい。

多くのサイトでは電力会社が、

どんなエネルギーをつかって電力を作っているのかを

比較しています。

その中で再生可能エネルギーは持続可能で地球に優しい

エネルギーです。

参考サイト

新電力比較サイト
https://power-hikaku.info/

自然エネルギーの比率が高いところはどこ?
https://selectra.jp/expert/fit-renewable-hikaku

 

〇オフグリットのすすめ「太陽光パネル」を自宅に設置

 

エネルギーの自給自足をオフグリット(送電線と

つながっていない電力システム)と呼びます。

せめて携帯やスマートフォンの電力だけでも

自分でまかないたい!

電力会社のいかんによって左右されたくない!

非常時でも最低限の電力に困りたくない!

そこで、小さい太陽光パネルと

ポータブルの蓄電器をそろえておけば

非常時でも役にたつこと間違いありません。

*スマートフォン用の充電にはこの2つ!*

RAVPower ソーラーチャージャー 【3ポート / 24W】
iPhone、Android 各機種対応 ソーラーパネル

RAVPower 6700mAh モバイルバッテリー 急速充電
(最小 最軽量 /2018年11月時点) iPhone/Andorid 等対応
携帯充電器 ポータブル充電器

 

この充電器は、テレビ番組「マツコの部屋」でも

取り上げられていたほど

急速に充電してくれます!

上記の小さな太陽光パネルを窓際に設置し、

この充電器をつないで蓄電。

必要に応じてスマートフォンやipadなどに充電できます。

外出、特に旅行には

必ず上記2点を持参するよう心がけています。

*もう少し大きな電力を蓄電したい時はこの2つ*

ソーラーパネル 太陽光発電 OUTAD 50w

 

suaoki ポータブル電源 大容量120000mAh /400Wh
三つの充電方法 AC & DC & USBなど5WAY出力

 

 

両方ともポータブルで、パネルは想定外に軽量です。

PCはもちろん、

時にテレビなど電化製品にも普通に使えます。

キャンプなどのアウトドア、

自動車を使う場合も、持参すれば、

蓄電や充電にとても重宝します。

 

その2 二酸化炭素削減 編

地球温暖化の原因である二酸化炭素を
これ以上増やさないためのエコ活動を挙げました。

〇早寝早起き

日の出とともに起きて日の入りとともに寝る!
単純ですが、これが一番人間本来の生活スタイルです。
夜はなるべく早く寝て、電気を使わないように
することは可能です!

〇ゴミ削減

・エコバックを持ち歩き、レジ袋を断る
できそうで、一番できていないエコバックの持ち歩き。
習慣にしてこれだけは徹底したいものです。

・マイハシ、マイ皿、マイコップ(お弁当箱)を携帯
特に屋外のパーティは、紙皿、紙コップの使用は控えたり
飲食店ではマイハシを使用したいもの。
勇気が入りますが、がんばりましょう。

・要らない衣服
「洋服ポスト」の利用をおすすめします。リサイクルです。
最低ルールを守れば気軽に不用品を預けられます。
詳細は投稿ページをご覧下さい。

〇電化製品をなるべく使わない

・テレビをつけっぱなしにしない
観たい番組だけを計画的に見る習慣がキーポイントです。

・冷暖房の温度はこまめに調節
一度違うだけで二酸化炭素の排出量が違います。
部屋の温度は少し寒い、少し暑いぐらいの温度が
体にも地球にもちょうどいいようです。

・炊飯ジャーの保温を止める
お米はガスを使って土鍋で炊いたほうが
お米本来の美味しさが引き立つそうです。
ちなみに残ったご飯は小分けにして冷凍庫で保存。

・電化製品の主電源をぬく
使わない時は、コンセントを抜いて
待機電力を削減。

・掃除は“ルンバにお任せ”しない
掃除機を使わなくてもホウキだけでもきれいになります。
そのあとモップでふけば、充分です。

・家族団欒を心がける
個別の部屋で各自がすごさず
できるだけ家族がひとつの部屋に集まることを
お勧めします。

〇公共の交通機関

自動車を使わず公共の交通機関を積極的に利用する。
東京であれば、公共の交通機関の方が
便利で早く行けることが多いです。

〇地産地消

できるだけ、地産地消の食べものを意識して
購入しましょう。

その3 自分で創る “DIY”のすすめ

その3 DIYを心がける

パーマカルチャーにはゴミという概念はありません。

すべてが資源であり、無駄なものはないという考えです。

だからゴミや廃材は資源であり

できるだけ使えるものにしていきます。

もし必要なものがでてきたら、すぐに買うのではなく

自分の周りをみわたして、

既存のものから「これで代用できないか?」と

まずは一呼吸して考えます。

すると、ほとんどが既存のものの組み合わせで

なんとかなります。

「お金がないなら知恵を出せ」とは、よくいったもの。

実践すると案外、お金を使わなくても

ちょっとした工夫と組み合わせで

面白いものが出来上がります。

 

〇キッチンガーデン

ハーブ、ミニトマト、きゅうり、サラダ用菜っ葉類なら

プランターでも作れます。

植える際に気をつけたいのは

遺伝子組み換えのタネ、を使わないように

することです。

無農薬、無化学肥料から作られたタネを

使えば安心して食べられます。

【おすすめのタネの販売所】

・たねの森 https://www.tanenomori.org/

・野口のタネ オンラインショップ https://noguchiseed.com/hanbai/

都会では、ネズミ(クマネズミ)が大量に生息しています。

屋上でプランターを使って

キッチンガーデンを育てていましたが、

芽がでるたびにネズミに

根こそぎ、きれいにかじられてしまいます。

どんなにワナをしかけても

このクマネズミはかかりません。

とても敏感で、賢く、年々進化しているそうです。

そんなネズミは“スーパーラット”と呼ばれ

都会を中心に急増中だとか。

共生共存を重んじたいですが、頭の痛い問題です。

ここでポイント!

パーマカルチャーでは、

「問題の中にこそ答えがある」という心構えがあるんです。

この言葉を心に留め解決策を考えるしかない、ですね。

その4 パーマカルチャーを体験する
日本でもパーマカルチャーの動きは活発になりつつあります。

各地で、さまざまな学校やワークショップ、

イベントやセミナーが開かれています。

専門家や先輩方と会って、直接話をきく、現場を見て、

現地の人とたくさん話して

“現場ならでは”の経験を積みましょう。

きっと新たな発見、大きな気づき、学びと出会えます。

 

その4 同士とつながる

〇学校へ通う

日本でも多種多様なパーマカルチャーの学校があります。

検索すればすぐに出てきます。

それぞれ特徴があるので、よく調べれば

自分にあいそうな学校がきっと見つかります。

ちなみに、私は『パーマカルチャー安曇野』に

2016年、5月に入塾しました。

約半年間、1ヶ月に1度、東京から安曇野に通い

パーマカルチャーの洗礼を受けました。

公式サイト https://www.ultraman.gr.jp/perma/index.html

 

〇ワークショップ

ネットがあれば、個人が企画するイベントやワークショップの

情報がとても簡単に手に入りいます。

きっと家の近くで無料開催されるイベントがあるので

興味があるものからどんどん参加してみましょう。

当事者本人から直接話をきくだけでも

貴重な体験になります。

 

〇縁を育む

主催者、ゲストの専門家など縦のつながりも重要ですが

横のつながり、その場で知り合った人との縁が

とても大事です。

同じ考えを持つ仲間として縁を育めば

お互い刺激になり、継続していく原動力になります。

中には農的暮らしをより早く

実践している人もいるので

積極的にお手伝いや援農をしてみてください。

“農的暮らし”がぐっと身近になります。

私は藤沢にある仲間の田んぼで

田植えと稲刈りの手伝いをしています。

他にも埼玉小川町、長野にも仲間は農的暮らしを始めています。

 

まとめ

パーマカルチャーを知ると

生き方が変わる、とよく言われます。

より広い視野で人生を見つめなすことになるからです。

自分だけでなく地球規模の視点にたち、

より暮らしやすい環境や循環が生まれるように

自分の持ち場で自分なりにデザインしていきます。

そうすることによって

自然と“新しいライフスタイルを自分で創る”ことに

つながります。

ぜひ、パーマカルチャーを参考にして

新しいライフスタイルを手に入れてください。

-小さな好奇心も拾う, 農的暮らし

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