四谷から約1時間、湘南台で農業を営む北条氏の田んぼへお手伝いに行った。

俗に言う援農。

農作業は素人のため、彼の指示に従い、見よう見まねでやる。
一応、稲刈りはこれで3回目。

釜を片手に持ち、しゃがむぐらい腰をおとし、稲のたばを地上から握りこぶし分あけて手首にスナップを効かせて一気にザクッと切る。無農薬のため雑草も勢いよくはえている。雑草を取り除きながら、稲だけを刈りとっていく。

重労働ではないけれど、コツをつかむのに時間はかかる。途中、60歳過ぎのおじさんも加わる。彼は手際がよくモクモクと作業をこなすから自分も負けじと熱がはいる。

ひと束、ひと束、ザクッ、ザクッ。

単純作業で、何も考えず没頭できる。それが心地よい。

会社員生活を送っていた頃、忙しさにかまけて食べることを疎かにした。簡単便利な添加物いっぱいの“食べ物”を買って、焼く、もしくはチンするだけ。
お昼は濃い味付けの中華や洋食。夜はつき合いと称し お手軽なおつまみとビール…
たしかに美味しい。お腹も空いてるし味も濃い。労働のあとのビールも格別。

振り返ると、当然、体そのものに害はあるが、特に精神的に悪影響を及ぼしていたように思う。
食べることは生きること。ましてや食べることが好きなら、なおのこと。
ひと呼吸して見直してみる。
食品ロス、種子問題、異常気象からくる野菜の高騰…
食べ物について考えた時、社会問題が突然、日常のこととして浮かんでくる。

6月に田植えに参加し、10月に実って稲となる。
お米が、どんな行程を経て、どんな汗をかき、実るのか自分で知りたかった。

田んぼの持ち主の北条氏は元小学校の教員。45歳ぐらいから教育現場に疑問を持ち始め49歳で教員を辞め、地元の藤沢で農家になる。
その頃、親の介護もあって大変だったよう。奥さんも教員で彼女は仕事を続け、彼が農業を始める代わりに、家事や介護を彼が引き受けたそうだ。

素人だから大した手伝いはできず遊び半分だけれども、いつでもおいでと受け入れてくれる北条氏に感謝。

援農はいつでも大歓迎らしいので、興味がある方は一緒に援農しに行きませんか?

援農がご縁で知り合った方々と、近い将来、マグノリアのカエルで北条氏の有機野菜マーケットや料理のワークショップをやろうと話が進む。

援農から新たな企画がうまれていく。楽しみだ!